高時間分解能力分光スペクトルと多変量解析に基づく口腔内速崩壊錠の新規評価方法の開発

Q. 現地ではどのようなプロジェクトを行う予定ですか?
プロジェクトの目的、内容、および帰国後のビジョンについて教えてください。

現在,私は大学院薬科学教育部において医薬品結晶多形の研究を行っています。最終製品の製剤特性は結晶多形の種類に大きく依存するため,医薬品製造工程での結晶多形の分析が非常に重要となります。各種分析機器(全反射減衰赤外分光,近赤外分光,ラマン分光)を用いて得られたスペクトルから,医薬品中の結晶多形の定性と定量,さらには製剤特性を多変量解析により予測する研究を行っています。
University of Texas at ArlingtonのP. K. Dasgupta研究室では,数多くのアワード・グラントを取るような世界最先端の分析科学の知識,技術が凝縮されています。本プロジェクトでは,その分析科学技術に医薬品製造技術を融合させることで,世界基準となりうる製剤分析法の開発を行うことを目的とします。実験や学会発表に留まらず,研究成果を原著論文にまとめ国際学術誌での公表にまで至ることを目標にします。
海外において,多様な研究思想・アプローチおよび価値観に接することで好奇心や探究心を養い,帰国後はその成果を基盤として,医薬品の未知の領域に挑戦し,高齢化社会を迎える日本の医療のために貢献したいと思います。

Q.徳島大学から「トビタテ!留学JAPAN」に応募したいと考えるみなさんへのメッセージをお願いします!

「トビタテ!留学JAPAN」の事前研修を受けた際,教育プログラムの履修やインターンシップを目的とする学生に対して,私のように学術研究を目的とする大学院生の割合が少ないように感じました。これは,院生やその指導教員が日々の研究に追われ,海外にまで意識が向きにくいことも一因かもしれません。しかし,異なった環境・文化のもとで経験を積み,広い視野を身につけることは,その後の研究につながると思います。ぜひ皆さんも積極的に応募して,世界を視野に入れた高い目標を見つけましょう。

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