留学体験記 2010

夏期短期海外語学研修 南イリノイ大学 CESL

医学部医学科 酒井洋介

“I am happy to hear that you are doing well and I am curious to what views have changed, could you explain what you have decided?
先日、このような文面のメールを受け取りました。研修先で知り合った、あるSIUの学生からでした。僕が以前、「SIUでの研修以来、自分の考え方が変わった。新しい目標もできた」と書いたことがあり、彼は「具体的に何が変わり、何を決意したのか」を尋ねてきたのでした。真面目な性格同士で気が合ったのか、彼と僕はすぐに親しくなりました。帰国前には彼の寮に招いてもらい、日本とアメリカの文化について、語り合ったりもしました。
しかし、研修を決意した当初、僕は自分が内向きな性格であり、まして英語でコミュニケーションができるだろうかと、不安を感じていました。それでも、英語を学びたいという目的意識を持ち、自分の価値観をはっきりと主張したことで、彼のような共感できる人に出会うことができました。やみくもな積極性よりも、確かなスタンスを持ったことが、真っ直ぐな自己表現につながったのだと思います。
日本好きのホストファミリーや、様々な国籍・年齢のクラスメートたちに囲まれ、毎日のコミュニケーションは、とても濃く、新鮮なものでした。そして、そのコミュニケーションを通し、日に日に僕は、自分の価値観と彼らの価値観の違いに気づかされていきました。国際交流の場は、英語を学ぶことだけでなく、「英語を通した学び」を僕に経験させてくれたのです。
冒頭の質問への返信に、こう書きました。
“I learned that I must admit that my idea is not always of the majority, and I need not to follow the majority at all times. I started to make and act on my own values. I have to say that everything has being affected and changed from my experience there.”
研修から持ち帰った多くのものは、これからも僕の一部として、成長の土台になってくれると考えています。

 

総合科学部 矢野千晴

私は2010年夏に開催されたアメリカ短期海外語学研修に参加し、アメリカ 南イリノイ大学付属語学研修施設(CESL: Center of English as a Second Language)で約1ヶ月の間、英語集中プログラムにて勉強を行いました。
感想としては、まず、クラスがレベルごとに分けられ、自分の英語能力に沿った授業を受けることができたのはすごく良かったと思います。特に、私のクラスは、日本人が私ひとりだけという状態だったので、日本語を使うことが全くできない状態で、学校の中ではずっと英語で話さなければならない状態でした。そのため、滞在中は英語を使用することに違和感がなくなりました。クラスメイトは、中東からの留学生が多かったです。彼らはスピーキングにおいては能力がかなり高く、また話すスピードがとてつもなく早いので、彼らの会話についていこうとすると話すスピードがかなり上がると思います。
是非おすすめしたい大学内の施設は、レクリエーションセンターです。普段の授業は留学生たちと一緒に受けるのでアメリカ人の学生と大学内で知り合いになるのは難しいのですが、初めてレクリエーションセンターに行った時に声をかけられ、一緒にテニスをして仲良くなることができました。休日には、CESLのプログラムで、毎週何かしらあるので、忙しいですがとにかく楽しいです。この大学はアメリカの方達はもちろん世界中から来た人たちとも交流することができる、すばらしい機会を与えてくれます。
今回の留学で様々な国の人々の考えや文化を知ることができました。英語が勉強したいだけなら日本でも十分できます。英語を使って何を学びたいか、英語を使うことによって様々な人々の意見や考え方を知りたいという方は是非この大学への留学を薦めたいです。

 

 

・ 慶北大学夏休み韓国文化体験プログラム

総合科学部人間文化学科1年 齊藤芙美

私たち徳島大学やその他日本各地の大学から16名が参加し、8名の韓国人学生を交えて一週間研修を行いました。
私がこの研修に参加した動機は単純で、「せっかくの大学の夏休みなんだから、どこか安くて楽しそうな海外に行きたいな」でした。
韓国の学生たちは外国人だと思えないほど上手に日本語を話せたために、コミュニケーションをとるのは難しくありませんでした。そのため、毎日研修が終わった後には一緒にごはんを食べたり、遊びや買い物に行ったりするほど仲良くなりました。
研修では、本当にいろいろなことをさせてもらいました。あいさつなどの日常会話やハングルの読み方を習ったり、韓国のコミックバンドの曲をみんなで歌ったり、韓国の国技であるテコンドー体験や、韓国料理教室など・・・。授業で習った言葉を実際に街に出て使ったりして、会話できた時は本当に嬉しかったです。世界遺産である「海印寺」や「仏国寺」への観光も、韓国の学生たち彼ら自身がその場所について調べ、彼らの言葉で案内をしてくれたことが印象に残っています。ずっと彼らと一緒にいたことで、韓国への文化、言語に対する関心がとても強くなりました。この研修に参加するまで、私は韓国に特に興味があったわけでもなく、ハングルも全く読めず、K-POPという言葉すら知りませんでした。だからこそ、この研修は本当に新鮮で、毎日新しいものに出会い、知り、本当に幸せな時間を過ごすことができました。なにより、心から一緒にいて楽しいと思える、最高の友達もできました。次に会えたときは韓国語で話ができればいいなと思って、今は自分で韓国語を勉強中です。そして研修から半年が経った現在も、Face book やSkypeで連絡を取り合っています。年末にはそのうちの3人と日本で再会しました。彼らと国境を越えて友達になれたことを心から嬉しく思い、これからも交流を続けていきます。手軽に参加できる研修なので、みなさんも研修に参加してこの感動をぜひ味わってみてください。

・ 学部交換留学

(中国 武漢大学)

総合科学部人間社会学科 石原史

私は2009年9月から2010年7月まで中国湖北省にある武漢大学(留学生教育学院)で語学留学をしました。武漢大学を選んだ理由は徳島大学と提携があるというのもありましたが、2009年3月に大学の交流事業でこの大学を訪れていたからです。もともと留学してみたいという気持ちがあった私にとって実際に中国の大学を見学できたことは良いきっかけとなりました。実際に留学してみると、短期間の訪問では分からなかったことや体験できなかったことなどが多く、留学に来てよかったと思いました。
授業はすべて中国語で行われ、行った当初はほとんど中国語が聞き取れなかった私はかなり苦労しました。ほかの国から来たクラスメートとも中国語で話さなければならないので、コミュニケーションをとるためにもリスニングと会話の勉強が必要不可欠でした。初めは武漢の辛い食べ物に慣れなかったり、日本とのギャップが激しすぎてなかなか受け入れられなかったりなど、勉強以外にも苦労したこともたくさんありました。しかし、これが中国・武漢という地なのだということが受け入れられてからは、自分の中でも当たり前になり、日本に帰ってきてから逆に中国とのギャップに驚いたほどです。
留学中、様々な土地へ旅行に行きました。一番印象に残っているのは2010年2月に東北部の吉林省・長春と黒竜江省・ハルビンに行ったことです。武漢から汽車で約25時間かかり、これだけ長い時間汽車に乗るというのも日本ではなかなか体験できないことですが、それ以上に長春・ハルビンの寒さが印象に残りました。長春は旧満州国の首都だったということもあり、日本とよく似た建物があってどこか懐かしい感じがしました。ハルビンには氷でできたとても美しい彫刻があったりと、武漢では体験できないことも多く、旅行によって土地それぞれの特色が見られてよかったと思います。
留学によって得られるものは語学力だけでなく、一生大切にしたい友人や経験など、その土地に行かなければ出会うことができないもののことの方が多いということが今回の留学で実感することができました。これからはこの経験を糧にして、また武漢で得た中国語を活かして仕事がしたいと思います。最後に、留学を決意する一番大きな理由となった交流事業に参加する機会を与えてくださった先生方と、留学に関わってくださった先生方に感謝したいと思います。

 

(韓国 慶北大学International Education Program)

総合科学部人間社会学科 奧野啓輔

こんにちは。私は総合科学部の人間社会学科欧米言語コースに所属している三年の奥野啓輔といいます。韓国のデグというところにある慶北大学に、交換留学生として一年行ってきました。留学の目的や苦労した事、学べた事をここで述べる事で今後留学を志望している方々のお力になれればと思います。
英語専攻の私がなぜ韓国留学に至ったかといいますと、奨学金をいただきながら英語と韓国語という二つの外国語を学習できる素晴らしいプログラムに参加できる機会に恵まれたからです。もともと大学時代になにか大きなことに挑戦したいと考えていたため決断にはあまり時間がかかりませんでした。
授業内容は、基本的には英語で行われる幅広い分野の講義から興味のあるものを受講します。私は英文学、英語教育の講義を中心としていました。経済学、歴史なども受講可能です。また韓国語で行われる韓国語の講義もあり、言語と学問が同時に学べます。しかし、苦労した事もたくさんありました。留学当初、韓国語を一度も学んだことのない私が、韓国語で韓国語を学ぶというのはどうも無理な話です。ホームシックもあり、最初の一か月は大変苦労したと記憶しております。しかし、毎日韓国語に触れ、コミュニケーションをとるうちに、どんどん慣れてゆき三カ月後にはある程度理解する事が出来るようになっていました。帰国直前には、韓国人と韓国語だけで会話出来るほどに成長しました。これは大きな自信になりました。韓国語だけでなく、英語の講義、英語圏からの留学生との交流で英語も十分に学ぶ事が出来たと確信しています。
学べる事はこれだけではありません。異文化理解、海外から見た日本とは、韓国料理がいかに美味しいかなど数えきれません。留学で学べる事は人それぞれです。それがどのようなものであれ、きっとあなたの視野の幅を広くしてくれるにちがいありません。いままで育った環境から離れ、まったく知らない異国の地で生活するのも悪くないですよ。

・ 研究留学

(ニュージーランド オークランド大学)

先端技術教育学部化学機能創生コース 博士後期課程 嶋村 彰紘

New ZealandにあるThe University of Auckland に2010年3月~2011年3月まで留学をしていました。

・交換留学に参加した動機
オークランド大学に留学した動機としては、オークランド大学での指導教官の先生が私の研究分野と近い研究をしていたからです。2005年にオークランド大学で開催された国際学会で今の指導教官の先生と知り合う機会がありました。国際学会での経験から、英語会話能力の重要性と現地で飲んだお酒のおいしさにオークランドでの留学に関心を持ち始めました。その後、今の指導教官の先生が徳島大学に来られる機会があったので思い切って留学の受け入れをお願いしたところ快く承諾してもらえました。

・現地での授業内容
授業は受けていませんが、月に数回セミナーがありさまざまな分野の研究者が自分の研究を発表します。特に、化学の分野でとても権威のある先生や大学、研究所から研究者の方が国内外から来られて発表をされるのでとても有意義な時間を過ごせています。オークランド大学はさまざまな国から博士課程の学生やポスドクが一緒になって研究をしており、年に数回討論会や発表会が実施され、いろいろな分野の研究者との交流ができることは大きな利点の一つであると思います。

・現地での文化的体験
オークランド大学はさまざまな国から学生が来ており、大学内は異文化の坩堝のような状態であるため、お互いの文化を尊重し合って生活しています。特に印象的だった体験としてはChemistryにいる人たちで料理を持ち合って行ったInternational Food Festivalです。40カ国以上の料理が提供されており、いろいろな文化の料理が堪能することができました。私は手作りの巻き寿司と日本酒をふるまい、とても好評でした。